【読書メモ】【快楽の脳科学】
快楽の脳科学~「いい気持ち」はどこから生まれるか (NHKブックス)
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ネズミをとある水が溜まった容器の中に入れる。
そこは足がギリギリ届かず、ジャンプしても出られないような環境。
はじめはもがいているが、そのうちぽかんと浮かぶようになる。
翌日も同じようにすると、
もがくのをすぐやめて、浮かぶようになる。
→もがくことをすぐ諦める様になる。
環境次第で抑うつな症状が出る。
このネズミに抗うつ剤を打つと、もがく時間が増える。
→逆境に対する肯定的な行動が活発になる。
しかし、こと人間の心理学の世界では、
抑うつ傾向などはその人の問題で、環境の問題とせず、
どのようなタイプの人が鬱になりやすいか?ばかり研究している節がある。
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人間は行動の結果について、『快』『深い』のラベルをつける。
『快』であれば、その行動の再現度が増える。
逆に、『不快』であれば、避けるようになる。
これはワーキングメモリーの中で行われる。
→新たな習慣を見に付けたければ、『快』を感じるようなスタートの切り方が良いということか。
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びっくりな驚きは、
『橋(きょう)』という部分で処理される。これは脳幹か。。
→びっくり箱的マジックは、趣があるとはやはり言えない気がする。
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学びには2種類ある。
『古典的条件づけ』と『オペラント条件づけ』
・古典的条件づけ
パブロフの犬的なこと。自動的。
・オペラント条件づけ
ある環境/条件下で、ある行動をし、なにか結果があり、
その行動の頻度が増減していく。自発的。
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低次脳は生存が目的。
自殺やリスカは高次脳が低次脳を上回って暴走している構造。
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快と不快で反応/行動が変わるが、
低次での判断か、高次での判断かで行動がどう変わっていくのかが変わるのでは??
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1999年の研究
不安なときはローリスク・ローリターンを好み、
悲しいときはハイリスク・ハイリターンを好む。
・不安なとき→不確実性をなるべく減らしたい
・悲しいとき→今の生活では得られない報酬がほしい
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恐怖と不安の違い
恐怖は恐れる対象が明確になっている。
不安は恐れる対象が不明確。
恐怖は高次脳で判断。
不安は低次脳で判断。
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攻撃行動
1:肉食動物が獲物を取る
2:縄張りを守る
3:オス同士が闘う
4:恐怖に追いつめられたときに反撃する(窮鼠猫を噛む)
5:母が子供を守る
6:手段として使える
・テストステロン(俗称:男性ホルモン)
3番の「オス同士が闘う」に一番関係あり。
4番の「窮鼠猫を噛む」にはあまり関係無し。
5番の母性攻撃も、テストステロンが関係している。←なんと、、、
テストステロンが関係するのは、生物学的に正常と考えられる攻撃。
衝動殺人などの異常な攻撃にはテストステロンは関係はないと考えられている。
異常な攻撃に関係していると考えられている。
39年間の殺人事件を調査。
→夏に多いことが判明。
→同様に夏に変動しているのは、セロトニンだった。
セロトニンは夏に合成したり分解したりする能率が下げる。
セロトニンが上がると異常攻撃性を下げることができる。
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ストレスとは、
予測できないことと、対処できないこと、対処のためのコストが甚大なこと
が原因。
客観的に見たらポジティブな事象に対しても、
上記に当てはまったらストレス認定され、抑うつ傾向を促す可能性あり。
それは、客観的に見たらポジティブな事象が、
ネガティブな自動思考により、ネガティブに当人は捉えてしまっているから。
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快感と満足感は違う。
快感を感じても満足していなかったら、欲求不満が募るだけ。
→プロセスと結果かな?
プロセスが快感だと、続けることができ、
結果が伴うと、満足感を得ることができる。
努力/行動自体の明確なフィードバックがないとだめ。
→フロー理論も同じこと言っている。