Cardician's Blog

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デジタル・トランスフォーメーション(DX)はトップダウンのアプローチが必須なワケ

既存のビジネスモデルをそのままデジタルに置き換えるのではなく、
デジタルを前提に根本からビジネスモデルや組織オペレーションを変革することを、
デジタル・トランスフォーメーション(DX)と呼び、
昨今、この取り組みが急務である。と叫ばれています。

が、
日本企業はイノベーション体質ではないので、
変革は大変だと数十年言われ続けてきた通り、
DXのための変革を推し進めることは日本企業にとって非常に難しいようです。

 

▼DXに内在する表と裏の側面

そもそもDXには、顧客価値やビジネスモデルやオペレーション構造を変革させる表の側面と、
それを実現する組織内部で求められる変革という裏の側面の両面があります。
裏側が実現されない限り、表が実現されることはないという構造です。

いかに、裏側の(いわゆる組織の)変革ができるかが肝と言われており、
過去の成功事例を見ると、ボトムアップ的なアプローチではなく、
トップダウンでのアプローチが効果的であるということが分かっています。

トップダウンで経営層を巻き込んだ大変革を起こさない限り、企業に未来はないとのことです。

危機感レベルで言うと、経済産業省が「2025年の崖」というレポートを出しているので、
気になる方は参照してみてください。

https://www.meti.go.jp/press/2018/09/20180907010/20180907010-2.pdf

▼なぜトップダウンのアプローチでないとだめなのか

トップダウンでの変革が必要と言ったとしても、
普段仕事をしながら大企業の人と関わったりしていると、
日本の大企業がおいそれと動き出せるようには見えません。

モチベーションがある人がいたとしても、組織的な制度のせいで動けなかったり、
権限がないから動きがどうしても鈍くなったり。
制度として別に動いても良いとなっていても、
先陣を切って、リスクを背負って「やる!」と言い出すWillのある人がいなかったり。
→この背景には、評価制度が挑戦を評価する方式ではないから。という声も聞きます。

なぜ、トップダウンが必要なのか、
下記の資料で「確かに。なるほど」と理解できる考察が載っていたので、引用します。

https://www.amazon.co.jp/dp/4297105276/

デジタル・トランスフォーメーションのために必要な、
5つの企業内部の変革とは。

1:意識→経営層や現場の危機感と変革に対する意識づけ
2:組織→専門組織の設置や既存組織の役割の再定義
3:制度→変革を促進させる制度の採用と阻害する制度の緩和
4:権限→予算、人事、組織連携などに関する権限委譲
5:人材→デジタルイノベーション推進人材の確保/育成


経営層はもちろんのこと、現場で仕事をしている事業部門や情報システム部門らが、そもそも危機感を持ってDXに意識を向けることがスタート。
専門組織の設置や既存組織の役割の再定義を行い、DXを実施する組織を形成すること、また、それを担う人材を確保することが大事。
その組織がちゃんと機能するためには、これまでのレガシーな制度からの脱却が必要で、かつ、迅速な意思決定サイクルを回すために権限委譲が必要。

どれか一つでもかけると、全体として機能しなくなる。
1〜5は足し算ではなく、掛け算である。

ということでした。

で、なぜトップダウンアプローチが必須であるのかというと、
DXのために必要とされているこの5つの領域のうち、
組織、制度、権限については、
組織の仕組み/枠組みの話であり、
現場の人がどうこうできる問題ではないため、
経営層からの動き→トップダウンの働きが必須。ということです。


なるほど理解できます。

確かに、
ボトムアップで意識や人材は多少どうにかなるかもしれないものの、
組織編成や制度改革、権限委譲はどうしようもないですもんね。

▼とはいっても、全責任が経営層にあるとは思えない。

結局のところ、経営層がいかに気づいてリスクを許容して変革に舵を切れるかどうかが肝になるようですが、
経営層がリスクを取らない理由の中には、
従業員を守らないといけないというマインドもあるはずです。

従業員が「リスク取るな!」と上に働きかけていたら、
経営層も動くに動きづらいでしょうね。

一昔前は、終身雇用が前提だったので、社員は家族だ!という考え方が主流だったと思います。

今でもその流れは残っていると思いますが、
今の主流は、
不確実性が極めて高くなってきている昨今、
特定の企業や組織が長く生き残る可能性は低くなっており、
そこに依存するのではなく、
ちゃんとどの組織でも通用するような個人スキルを高めて、
自己実現を目指していきましょう。
というものだと思います。

とはいっても、この潮流であれば、
従業員を守るために、変革は必須。という状況なので、
未来を見ず変化を無闇に嫌う従業員をどう扱えば良いのかが問題。

すごく勝手なイメージですが、
自分にはスキルがなくて、今の組織以外では生きていけない。
と思っている人ほど、「リスクを取るな!変化するな!」
と声を上げる傾向にある感覚です。

経営者としての対策は2つで、
1:スキルを身につけさせるなどして、リスク許容人材に変える
2:切るor無視する
のどちらかになるでしょうか。。

1番は難しい気がします。
となると2番。

切るのが一番わかりやすいんですが、
波風立ちそうなので、無視する方が良いのでしょうか。

▼そもそも変革は多数決で決まるわけがない。

企業経営だけに限った話ではないと思いますが、
変革に対して建設的ではない無駄な声をそもそも発生させないために、
少数の未来を見ている人たちだけに限定して取り組みを行い、
少しずつ成功事例を作っていき、ベストプラクティスを模索する。
未来を見ていない人の目に触れさせるのは、
ある程度リスクが低下してからにする。
という戦略も良いなと思います。

変革の邪魔となる声をそもそも発生させない。

▼一個人として。。

ぐだぐだ書きましたが、
一個人としては、リスクを許容できるように、スキルを伸ばす。
伸ばしたスキルを担保に、挑戦して、新たなスキルを獲得する。

そんなサイクルができるように日々時間を大切に使っていきたいなと思いました。

▼雑談

30分のつもりで書き始めたら、
1時間を要してしまいました。

これはこれでOK。

昨日書いた通り、30分というライトなハードルがちょうど良いだけで、30分完結であることに特に意味はないので。

ではまた明日!