自分の感受性アンテナを100種類揃える。
今日のとある機会で話していたことが、結構大事なことかもしれないなぁと思ったので、文字として整理します。
マジックを学んでいくと、当然のことながら秘密に対する知識や見抜く力も養われていくので、以前は不思議だったものが、段々と不思議ではなくなっていきます。
マジシャンは魔法を使えるようになるために努力をし続けた結果、この世で最も魔法からは遠い存在になっているとも言えるでしょう。(イカロスのように。)
さて、ところでよくマジックをされない人から、「テレビのマジックは見抜けるの?」という質問をいただきます。
個人的な本音としては、ある程度ちゃんと手品を学んでいれば80%程度は見抜けて(というか考案者の名前まで知っているケースも有るでしょう)、残り10%は確信は持てないけど多分こう。という仮説は考えられて、最後の10%はさっぱりわからん。という感じかなーと思っています。
とはいっても、マジック鑑賞にあたって、種がわかるかどうかという楽しみ方は、マジックの楽しみ方ピラミッドの中で最下層に位置しているものだと”僕は”考えています。
ただの前提条件です。
映画を見ていて、ストーリーがどうのこうのではなく、俳優さんが噛まずにセリフを言っているかどうか?ばかりを気にして見ているのとレベルは近い印象です。
これ、映画だったらもっと楽しむポイントたくさんあるじゃん。って思いますよね。
マジックという分野に対しても同じだと考えています。
もちろん、映画ほど表現力豊かに発展しているわけではないので、マジシャン側からの提供物が映画のクオリティーのそれと比べられるとなかなか厳しい戦いにはなりますが。。
マジックに限らず、どの分野のエンタメに対しても、
楽しみ方というものはたくさんあります。
映画のバイオハザードのような作品に対して、不思議の国のアリスのような不思議でポップな愉快さを求めたりしないように、エンタメには各種ふさわしい”楽しみ方”があります。
アイドルのライブに行って、歌唱力に文句を言ったり、口パクであることに文句を言うのはただ楽しみ方を間違えているだけの人です。
コンビニ弁当はフレンチよりも大味で単純な味わいしかしないから嫌い。といっているような。
この世に素晴らしいエンタメが100種類あったとして、
自分がその素晴らしさを楽しめるアンテナを3つしか持っていないとすると、
僕は3つのエンタメしか楽しめない。ということになります。
もちろん、それでも良い。自分は数少ないジャンルを徹底的に掘り下げる。という方もいらっしゃると思いますのでこれは個人の価値観次第ですが、
僕の場合、100種類のアンテナを用意して、
より多くのエンタメを楽しめるようになりたいなと思います。
(それぞれの感受性の強さは異なるでしょうけれども)
ということで、マジックを学んでいくと、”騙される”という体験は少なくなりますが、騙される以外の楽しみ方も同時に身についていくでしょうから、問題ないです。
むしろ、不思議かどうか?手先が器用かどうか?という楽しみ方以外に、世界観はどうなのか、その人が提示しているフィクションは素敵なのか、この人はどのような感情を与えようとしてくれているのか?などなど様々な見方ができるようになると、もっといろんなことに毎日楽しく触れられるようになると思います。
脚本を勉強したら、マジックショーの脚本や構成はどうなっているのか?という部分も楽しみ方の一つになるでしょうし、声の発声方法を勉強したら、演者の声の出し方一つとっても楽しめるようになるかもしれないです。
ちなみに、真に素晴らしいマジシャンはこれでもかとマジックに打ち込んできた我々でも、スカッと騙してくれることがありますから、その点もご心配なさらずに笑
未だに「えーー!!!それはないでしょ!」と年に数回は言います。
というわけで、
自分の感受性アンテナはたくさん用意していきたいな。というお話でした。
それでは。また。
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